Et Alors?

 今日、フランス語の授業に久しぶりに顔を出した。私のフランス語の先生は、お料理が大好き。必然的に話は食に関する話題が多い。
 私がFOODEXに行ったという話から、料理の話になった。そのときに興味深かった話。それは、「おふくろの味」である。go?t de Maman という。しかし、フランスでは、go?t de grand-m?re (おばあちゃんの味)ということが多いそうである。

 先生曰く、「フランス人が、go?t de Mamanなんて言った日には、次の日には奥さんはいなくなっちゃうわよ。go?t de grand-m?reといえば角が立たないもの。。。」面白いコメントである。私のフランス語の先生は、典型的なフランス人である。フランス人は、critique(物事に対して批判がましい)な人種なのよ、とよく言う。

 go?t de Mamanといえば、我が家にも「おふくろの味」にまつわる話がある。
私たちが結婚して間もなくのことであった。

 私の実家はみなカレーが大好き。週に一度はカレーを作った。わが実家では、カレーは辛いものであった。甘口カレーなど、カレーではなかったのだ。私は、母が働いていたので、姉がお嫁に行くまでは、洗い物担当であったが、姉が結婚してからは、私が食事を作る係りであった。もちろん、カレーを作るのも私。兄が、厳しいカレー評論家であったため、いろいろ創意工夫をし、私の味があったのだ。

 結婚してから、初めてカレーを作ったときのこと、夫にとってはかなり辛かったらしい。そして、「辛いな。おふくろのカレーと違う」と言った。カレーに自信があった私の心の中に、ちょっと闘志が沸いたのは事実であった。

 しばらくして、何かの用事で義母と電話で話したとき、話のついでに「そういえば、お母さん、どんなカレーを作っていらしたんですか?T(夫)さんが、私のカレーがお母さんのと違うと言っていたのですが・・・」と言うと、義母は、「ん?バーモントカレーよ。」と言った。そこで私は「勝った!」と思ったのだ。バーモントカレーは、子供が食べるものだと思っていたから。

 それから数十年、そう、最近のことだ。息子が結婚することになり、義母と電話で話したとき、「あなたも寂しいでしょう?私の時もそうやったわ~。そうそう、覚えてますよぉ♪敬子さん、バーモントカレー事件。あの時、Tが、『おふくろの味と違う』って言ったからあなた、電話で『お母さんのカレーはどんなカレーなんですか?』(←言い方がきつい風になっている)って聞いてきたやないの。ただのバーモントカレーやのにねぇ・・・♪♪」

 そのときに気付いた。「勝った!」と思っていたのは、私だけではなかったのだ!
義母も、そのとき「勝った!」と思っていたのであった。。。

 そして、二人の息子の結婚式が、立て続けにあった、去年の11月と今年の1月のこと。はるばる神戸から高齢の義父母が出席してくれたので、それぞれの結婚式の翌日、当事者ではない方の息子夫婦と一緒に食事の席を設けた。そのとき、二度とも、義母からその「バーモントカレー事件」の話がでた。息子のお嫁さんに話して聞かせているのだ。それも、だいぶ尾ひれがついちゃっている。

 「Tが、敬子さんのカレーを食べて、『ママの味と違う』っていったから、敬子さんが私に電話かけてきて『お母さん!!お母さんのカレーっていったいどんなカレーなんですか!!』(←言い方が10倍ぐらいきつくなっている)って電話してきたんよ~♪(←嬉しそう)」
 「だから私、言ったんよ。『T! やめなさい! 敬子さんの味に慣れな、あかんやないの!!マザコンだと思われるやないの』って。。。」「ホントはマザコンなんやけどね~♪なんちゃって・・・
(超うれしそう)

 私としては、苦笑するしかない。「そんなこと、ありましたね~♪」

 私には忘れかけてた「事件」だったが、義母にとっては、とっても嬉しかった大切な「事件」だったに違いない。

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