Blog Et Alors?

  今日ダイヤモンド富士の写真を撮ろうと住宅街のスポットに行った時のこと、一人の70歳を超えたぐらいのご老人が三脚をつけたカメラを持って私の隣に来た。こんにちは、と挨拶し、「もうここからのダイヤモンド富士は終わっちゃいましたね。」と話しかけると、かなり写真を撮っていらっしゃるようで、ご自分の写真談義に花を咲かせ始めた。ご老人は、一応三脚を伸ばしたが、写真を撮るでもなく、ずっと私達に話しかけてくる。

「富士山の3000mの所まで写真を撮りに行ったんですよ。」「岐阜の桜も撮りに行きましたよ。日帰りで。僕は泊まれないから日帰りなんです。病気だから。癌なんです。」明るく言った。

「あの、どちらがお悪いんですか?」と尋ねると、「食道がんです。だから食べ物が普通に食べられないんです。」

 なんだか聞いてはいけないことを聞いてしまったようで、ハッとした。が、ご老人は明るく、「本当に少しずつしか喉を通らないんです。」「そばは引っかかるんですよ。」そして、「医者には、お餅だけは引っかかるから注意してください。と言われましてね。でも、お餅食べたいんですよ。孫とかが食べてるとねぇ。」

 そのとき、「オリーブオイルをお餅に絡めると、喉に引っかかりにくくスルッと喉を通る」という話を思い出した。確かにそう。お醤油と一緒に絡めるとふわっと香りがたって美味しい。そしてスルッと喉を通る。「お年寄りにはこういう食べ方を進めればいいんだ」、と実感した。

 その話をしてあげようかと、喉まで出かかった。でも、それで万が一のことがあったら・・・と思う気持ちが自制した。

 帰ろうと、カメラを持って歩き出してからもまだ話し続ける。

 ご老人は、明るかった。もう40キロ台まで体重は落ちてしまったそう。「孫のサッカーの写真もよく撮りに行きます。」「孫が川崎フロンターレでMVPを取ったんですよ。」「もうすぐあの世に行くので、できるだけいろいろなことをやろうと思いまして、今、カラオケに行ったり、葉山にボランティアにも行っています。」

 ご老人の話を聞いて差し上げることしかできない。別れ際に小さい声で「頑張ってください。またお会いしましょう。」としか言えなかった。

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